写真の状態を目的に合わせて調整しておくことを、総じて「補正」と呼びます。
それでは、写真を補正するとは具体的にどういうことなのでしょうか。
ここでは、その必要性から種類まで、写真補正についての概要を解説します。
補正はなぜ必要なのでしょうか?
デザインの中に使われる写真には、必ず目的があります。
「状況を説明する」、「世界観を演出する」、「興味をそそる」、「購買意欲を高める」など、その目的はさまざまですが、写真自体がそれたに対して十分に機能していることが重要です。
なので写真には目的があり、それに対して「多くの人がいい写真と感じる」という機能が求められるのです。
同様に、写真の画角を変えるだけで写真から受ける印象が変わることもあります。
「補正する」ということは、写真の機能を最大限まで高め、デザインにおける目的を達成させるという大切な役割があるわけです。
色調の補正
写真の補正という言葉に対し、真っ先に出てくるのが「色調の補正」です。
色調とは、写真全体の調子のことで、ものすごく簡単に言うと「明るさ」や「色合い」のこと表します。
いくらカメラの機能や撮影技術が進歩したとはいえ、撮影した写真が常に理想の状態になるとは限りません。
撮影時の状況や設定のち外によって、全体が暗くなったり、本来とは異なる色合いに傾いたりすることの方が多くなるかもしれません。
このような状態の写真を適切に修正することを、一般に「色調補正」と呼びます。
デジタルで画像を扱う上でも、欠かせない作業のひとつです。
画角や角度の修整
色調補正のほかに、写真の画角(写真に写っている範囲)や傾きなどに関する修整も大きな意味で補正の中に含まれます。
写真を撮影する際に、三脚と水平器などを使って傾きがないようにしておくのが基本ですが、手持ちでの撮影などでは、気をつけていても傾いてしまうことも少なくありません。
このようなときは、撮影後の写真で角度を修整します。
また、デザインに応じて写真の必要な範囲だけを切り出す「トリミング」なども修整の部類に入ります。
このほか、レンズなどによって生じた歪みをまっすぐ修整したり、バース(奥行きの強さ)を緩和するといった、少々複雑な修整をすることもあります。
フォトレタッチとは
写真は字のごとく「真を写す」ものですが、その目的によっては写真自体を加工することも少なくありません。
例えば、撮影時にどうしても隠しきれない果物の傷や、建物の手前に写り込んだ電線を消したり、人物モデルの体型を少しだけスリムにするなど、真実の記録よりもイメージの演出を優先する場合です。
このように、写真の一部、または全体を加工していくことを、総じて「レタッチ」や「フォトレタッチ」と呼びます。
デザインに使う写真というのは、例のために用いられるかが重視されるため、時として演出的にレタッチを行うことも少なくありません。
デジタル画像の補正で注意したいこと
アナログの写真に比べ、デジタルでは補正や加工が簡単にできてしまいます。
そのため、ついたくさんの補正を重ねてしまうことも少なくありません。
適度な補正は、元写真の持つディテールや本来の色味を大きく損ない、写真としての魅力を失わせていきます。
細かい補正などをしているときは、つい近視眼的になって全体像を客観視できなくなってしまいがちです。
その写真が最終的に使われたとき、他の要素との関係を崩してしまわないように、バランスを常に意識しながら作業しましょう。
また、いつでも途中経過に戻れるように、調整レイヤーやスマートオブジェクトなどの機能を活用した「非破壊編集」を優先することも大切です。
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